冒険者たち

1960年代洋画
06 /18 2017
今まで見た中で一番カッコいい髭面
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・こち亀の中川と両津の造形にも影響を与えたとか…
先月上旬フランスの名優アラン・ドロンが引退を表明しました。
アラン・ドロン主演作品
私が知ってる中では
「太陽がいっぱい」「さらば友よ」「冒険者たち」が印象に残っておりますが
一番好きなのはこの冒険者たちです

当時のフランス映画が日本の娯楽シーンに与えた影響
往年のジャンプの人気作品コブラ
そしてルパン三世、主人公はどちらもジャン・ポール・ベルモンドを意識しているとの事
昨年の秋40年の連載を終えたこち亀
主人公の両津と相棒中川は「さらば友よ」「冒険者たち」の影響を受けたとの話
中川がアラン・ドロンで両津はチャールズ・ブロンソンorリノ・ヴァンチュラのイメージで
そういえばこち亀46巻、両津がイタリア人のふりをするというネタがあったな…

こち亀に関する話はウソです。それっぽいウソを書くのも目的だったりします。
以降内容にも触れつつ進めてみたいと思います。
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映画はフランスの工場地帯?からスタート
キレイな場所ではないのですが絵になっていると思うのは私だけだろうか?
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主要人物で一番最初に登場するのはレティシア(ジョアンナ・シムカス)
私みたいな手合いは少ないにしても北斗の拳の原哲夫先生、美女絵が良いと思っている人は少なくないようで
「モデルは誰かいますか?」という質問が、原先生のお答えはこの方を軸にしているとの事。
…これもウソです。
しかし秋本先生にしても原先生にしてもこの映画知らないというのは考えにくい…
ある程度は影響与えてるかも…

前衛芸術家レティシアは材料探しを切欠に自動車技師ローラン(リノ・ヴァンチュラ)と
パイロットのマヌー(アラン・ドロン)と知り合うことに
マヌーは飛行クラブの会員ヴェルタンに担がれ凱旋門をくぐるという行為に挑みます
その挑戦は失敗、加えて危険飛行のペナルティとしてライセンスも取り消しに
キヨバシの映画会社からの依頼というのもデマと知ったマヌーはヴェルタンに仕返しに
マヌーとローラン、二人に殴られたヴェルタンはお詫びとしてコンゴの海に沈んだ財宝の話をします。

「コンゴの海に沈んだ財宝」すぐに信じる訳は無くマヌーとローランはカジノで一稼ぎを狙って研究に勤しみます。
いざ実践!…結果は当然…
熱くなり過ぎた二人はレティシアを忘れてしまいます。

忘れられたレティシアは他の男とダンスに興じますが…
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このシーンのやり取りも印象に残っております、どういう基準か知りませんが世界一モテない男は日本人という話もあります
このシーンはその答えの一つかも?このクラスの美女に仕事を理由にフラれたら高級官僚や財務省工芸官でも職を辞する?
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ローランの車も爆発
レティシアも個展の内容を新聞の批評家たちに軒並み酷評されてしまうことに
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新聞記事を読むのにメガネをかけるローラン、アラフィフなので老眼入ってないと不自然?
三人とも夢破れることに、そこで一行は「コンゴの海に沈んだ財宝」を求めアフリカ・コンゴへ旅立つのでした…
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コンゴでトラブって食い詰めたという感じの中年男、その正体は…
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映画の折り返し点で財宝発見、宝石・レア硬貨(金貨には見えない)・紙幣というところか
このシーンは説得力に乏しいかも
ここで一行を監視する不穏な人影が…

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ここのやり取りがラストシーンに効いております。
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確かにニセ海岸警備隊でしたが“パイロット”が仕掛けた銃撃戦の結果レティシアが…
中年オヤジがボートで放逐されるという図なのに美しい
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大ヒットゲーム、ファイナルファンタジー7のエアリスはこのシーンを参考にしているとか…
根拠は無いがホントかも

全編通して美しい画、音楽
アラン・ドロン、ジョアンナ・シムカス、リノ・ヴァンチュラといった俳優陣の魅力
ストーリーの暗転、そしてラストシーン、忘れがたい一編です。

「世の中金じゃない…かも…」これ位の話を書けたら説得力あるかもなあ
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アラン・ドロン
ちょっと悪そうというのか陰りのある風貌も魅力です
007みたいな権力者側ヒーローというのは似合わなさそう
実際かなり貧しい階層の出身で荒れていた時期もあったとの事で
デビューしたての頃貴族出身の映画監督ルキノ・ヴィスコンティが使っていた
ルイ・ヴィトンのLVマークをルキノ・ヴィスコンティのイニシャルと勘違いしたというエピソードも

貧しさという業火に焼かれてもなお輝きを失わない人の中から本物のスターが出てくるのかも…
演技とはいえある程度は地が出ざるを得ない
今こういう味のある俳優は出にくいだろうなあ、と思ったりします。
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続・夕陽のガンマン

1960年代洋画
02 /12 2017
ブラックティガーの事を書いたので
こちらも書いてみたくなりまして
南北戦争というと当方はこの映画が真っ先に思い浮かんでしまいます
「風と共に去りぬ」も有名ですが当方未見
ダンス・ウィズ・ウルブズ
という映画もあったな
アカデミー賞映画ですがラストシーンがどんなのだったか思い出せない…

「続・夕陽のガンマン」クリント・イーストウッドとリー・ヴァン・クリーフは出演しておりますが
夕陽のガンマンと全く別物です

原題はTHE GOOD THE BAD AND THE UGLY
邦題だと…難しいのはプロでも同じ?
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クライマックスの三つ巴の決闘シーン
決着は…
これをパクリとは言いませんが漫画北斗の拳のウイグル獄長戦
このシーンが頭の片隅にあったのでは?と推測しております。
原哲夫or武論尊先生にお話伺う機会があれば聞いてみたい…
「漢」が良く出てくる北斗の拳に倣うと
「THE GOOD THE BAD AND THE UGLY」
「好漢・悪漢・卑劣漢」と訳すのが良い?
DVDでは「善玉・悪玉・卑劣漢」としておりますが

この映画、北斗の拳・ウイグルの最期にちょっと影響を与えているのでは
書きたい事は書いてしまいましたが内容にも触れてみます
エンニオ・モリコーネの音楽が流れるオープニングタイトルから
主役級3人の紹介へ
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最初はthe ugly(卑劣漢)⇒トゥーコ
演じるはイーライ・ウォラック
荒野の七人」で敵のボスを演じておりました
マカロニウェスタンブームの火付け役「荒野の用心棒
これも「荒野の七人」に出演していた
チャールズ・ブロンソンかジェームズ・コバーンを主役に据えたかったという話が
荒野の七人の元ネタは…今では俳優・スタッフの仕事確保、もう公共事業?となっている日本映画
昔は世界に影響を与えていた?

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次はthe bad(悪玉)⇒エンジェル・アイ
演じるはリー・ヴァン・クリーフ
ゲーム、メタルギアシリーズのリボルバー・オセロットはこの人をモデルにしてるとか…

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最後にthe good(善玉)⇒ブロンディ
演じるはクリント・イーストウッド
言わずと知れた伝説的スターです。
ウエスタン、冒頭に出てくる敵ガンマン3名に
この「善玉・悪玉・卑劣漢」を起用するという案もあったようですが
イーストウッドのスケジュールが押さえられず断念したという話も
人気で引っ張りだこ
今だとベネディクト・カンバーバッチみたいなイメージ?

the goodの字幕が出るまで約30分、全編178分、ほぼ3時間…
この映画、IMDbで現在9位と非常に高い評価を得ております
人気映画監督クエンティン・タランティーノがベストムービーの一つに上げているそうで
しかし3時間の長尺、それに時間の使い方が贅沢です。
見るだけとはいえハードルが高いかも。

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エンジェルが情報を聞くシーン
1966年製作、これは特殊効果ではなく二次大戦の傷痍軍人?

大筋は悪玉(エンジェル)が大金を掴んでいる南軍の軍人⇒ビル・カーソンを探す
そこに卑劣漢(トゥーコ)と善玉(ブロンディ)が絡んでいき…という感じです
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トゥーコの仕返しで死にかけるブロンディ
最後に突っ込まれますが「善玉」じゃないよなあという事をやってますので
致し方ないのですが
止め…となったところで砂漠の彼方から馬車が…
宝くじに当たる方が確率高そう
名作映画といえどご都合主義の幾つかは避けられない?

「善玉」じゃないよなあ
ホントのクリント・イーストウッドもこんな感じなのでは?と思えてきます
この方の名声を確固たるものにし日本の娯楽シーンにも多大な影響を与えたダーティハリー
最初ポール・ニューマンにハリー刑事役をオファーしたという話があります。
脚本を読んだポール・ニューマンが
「これオレに合わないんじゃないか、クリント・イーストウッドとかの方がイイんじゃない」
といったやり取りの結果ダーティハリー⇒イーストウッドと相成ったそうで
日本だと「何でもやります」となりそうだが…
あとは向こうのスターって地を出す傾向があるのだろうか?とも
やっぱりホントのクリント・イーストウッドもこんな感じの人だったのか。

ともかく悪玉より先に大金(20万ドル)の在処を掴んだ卑劣漢と善玉
卑劣漢が墓地を、墓標は善玉が知っているというのがミソです。

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戦乱の最中使える風呂を見つけたトゥーコ
入浴中冒頭に出てきた男が復讐に…銃創が原因で右腕を失った模様
アラフィフ親父の入浴シーン…誰得?田亀源五郎先生とか…
ウエスタンみたくアラサー美女の入浴シーンなら喜ぶ人も多そうですが

拳銃、今でも水に浸けるのは良くないはずですが
パーカッション式だと撃てなくなるのでは…
いや金属薬莢式?
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金属薬莢、ググると1847年にフランスで発明されたという記述も
しかし金属薬莢だと最後の仕掛けに説得力が無くなるな
パーカッションキャップという部品が機能しなければ火薬と弾頭がセットされていても
撃てないとなるようですが
今撃つのだと練炭みたいに火薬を固めたモノもあるようで
当時はこんなモノ無いでしょうから装填は更に大変だったでしょう
自動拳銃の替えマガジンのイメージでシリンダーごと交換というのもあったとか…
火薬を固めたモノ⇒ペレットを使う分には必要ないみたいですが
粉火薬を使う時は隣の薬室に引火しないようにグリスが必要との話も
如何にも忘れそうな話ですから当時はグリスを忘れて自分が大怪我するというのもあったのでは
細部を気にして大筋が作れない典型的なオタクですな。

細部ついでにお金の話
ブラックティガーから
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南北戦争直後のアメリカだと金額大きすぎるかも
オースティン・パワーズという映画で悪役が国際連合風組織に100万ドルを要求して
「金額が小さい」と失笑を買うシーンがありました
1960年代は100万ドルというと個人レベルの金額ではなかった?
他の映画を思い返してみるとゴッドファーザー、ジャッカルの日、ダーティハリー…
“最後の西部劇”ワイルドバンチで“1万ドルなら家族を見殺しにするのも考える”
といったやり取りもありました
この続・夕陽のガンマン、20万ドルといえば1966年当時でも夢のような大金で
南北戦争だと有り得ない額だったのでは。
ブラックティガー、為替に加えてインフレとなると話がややこしくなり過ぎるから
続・夕陽のガンマンあたりに倣って為替のみで…としたのかも。

今回の記事、あらすじはwiki等で読めるので変な話を多めにしてみました。

荒野の用心棒

1960年代洋画
02 /18 2015

DVDの中古でもあまり安くなっておりません、レンタル版だと名声優、山田康雄氏の吹替えはナシ、少々おカネを使ってもあの声を聴きたい、というのが価格に表れているのかもしれません。
加えてあの至高の主人公登場シーン・・・DVDは吹替え音声が無いシーンはスキップ再生モード付とありそうで無い仕様になっております、これは良かったです。

前回意外な展開の映画が好きと言っておきながら
今回は最強王道シーン!と思う映画の話にします
漫画北斗の拳のラスト、バットに回復不能の一撃が・・・そこでマミヤが動きマミヤもボルゲに殺されるとなった時に・・・
などなど「ピンチの所で主人公登場!」
北斗の拳だけでなくシティーハンターや他の漫画・アニメ・映画などでもお約束のパターンですが
このお約束のシーンで一番良かったのは・・・映画「荒野の用心棒」の名前が迷わずに出てきます。

荒野の用心棒
初見は高校生の頃の金曜ロードショーだったと思います。
クリント・イーストウッド、アルカトラズからの脱出を見てあまり面白くない俳優だなと思っておりましたが
この登場シーンで私の中では「神」の一人になってしまいました。
野球に例えるとド真ん中&ド直球なのですがこのシーンは背筋が痺れます。音楽?俳優の魅力?話の流れ?簡単にマネ・再現出来るなら世の中傑作ばかりでしょう。
夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」も見ましたが主演イーストウッド&監督レオーネは当方はこれが一番です。
「荒野の用心棒」が一番良かったという評価「続・夕陽のガンマン」の方がネットでの評価は高いのですが中古DVDの価格だと逆になっている感が、黒澤明監督の用心棒を無断翻案したのは有名な話なので素直に評価しづらいというのもあるが…だけどおカネは正直という展開かも。

マッドマックス2北斗の拳、は有名ですが当方は北斗の拳の方が好きです、原哲夫先生の絵の魅力&色気というプラス点で。
同様に、なのか当方は下敷きの用心棒より荒野の用心棒の方が好きです。
こちらの用心棒からのプラス点は主人公の「名無し」が痛めつけられてからラストシーンまでというところでしょうか。
荒野の用心棒-
洞窟で体の回復と来たるべき対決のため牙を研ぐ、という感じのシーンから、この辺りもカッコいいです。
荒野の用心棒1
ラモンなどロホス一味を相手に一人戦いに臨む「名無し」秘策は・・・このシーンのアイデアはバック・トゥ・ザ・フューチャーでもオマージュされているようで。
無断翻案・借用でも一つキラリと光るモノがあれば本家を凌ぐこともある?好例では。しかしその一つが難しいのでしょう。
ここで頭を狙えば・・・というのは中盤を良く見ていないのと「粋」が分からない野暮天と言って良いのでは。
映画監督ではサム・ペキンパーが一番好きと書いておきながらセルジオ・レオーネの映画が3本目ということに
「乱戦」のペキンパー、「決闘」のレオーネという感じでアクション描写の元祖にして定番では、と当方は思っております。
この荒野の用心棒とウエスタン「決闘」描写の上手さで日本の娯楽シーンに与えた影響はセルジオ・レオーネの方が大きいかも、というあて推量で締めてみます。
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北斗の拳のこのカット、荒野の用心棒からインスパイアされてるとか?ラストの決闘で名無し=イーストウッドが立ち上がる姿を連想してしまう・・・

明日へ向かって撃て!

1960年代洋画
05 /31 2014
・興行収入に従うのも一手なのでは(一ひねりを入れて)
ディズニーアニメの最新作「アナと雪の女王」が日本公開映画歴代興行収入第4位に、という話が
日本公開映画歴代興収、1位は千と千尋の神隠し、ベスト10にもののけ姫以降の宮崎アニメが4本ランクイン
宮崎アニメは興収ランク入りしていない初期作品が最高の気もしますが。
しかし映画の好みは人それぞれ、宮崎アニメはもののけ姫以降に限るという人もいるかもしれません。
個人的にはロード・オブ・ザ・リングが入っていないのも引っかかります(当方も劇場では見ておりませんが)
興収が良い=傑作とはなっていない感も。
日本公開映画の興行収入ランキング、トップ10は全て1997年以降の作品です、日本はデフレとはいえおカネだけであれば最近の作品が興収ランクは有利になる気もします。
そこで、というわけなのかインフレ調整という考えもあるようです。
インフレ調整興収ランク、アメリカ国内版みたいですがガラリと景色が変わり面白いです、古いのが気にならない人ならDVD鑑賞、こちらのランキングからチョイスするのも良いのでは?

・やはり美男美女は強い?
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当方「ワイルドバンチ」と並ぶお気に入り作品が「明日に向かって撃て!」です。
どちらも1969年製作の西部の強盗団のお話で、劇中の時代背景は「明日に向かって撃て!」が前のようです。
キャストに共通点はありませんが「ワイルドバンチ」が後編、「明日に向かって撃て!」が前編という見方もある?
今日どちらもアメリカン・ニューシネマの代表的作品という位置付けですが
公開当時の興行収入は「明日に向かって撃て!」の方がはるかに上だったようです、インフレ調整版の興収ランキングで現在34位というポジションに。
ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロスの二枚目コンビ+美女の組み合わせ・・・「明日に向かって撃て!」撮影・音楽の効果も見逃せませんが画面が華やぐのは否めません。
「ワイルドバンチ」より「明日に向かって撃て!」の方が万人受けする作品と私も思います。
「皆が見ているから見る」というのも傑作・お気に入り作品に行き着く一手ではないでしょうか。

・米西戦争というセリフ、作中では1898年のようで
映画は劇中のセリフから推測すると1898年という設定のようです。
西部開拓時代末期というところでしょうか?
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西部劇といえばこのコルトシングルアクションアーミー、1873年に発表なので南北戦争の映画でこの拳銃が出てくるとオカシイということに
現在自動拳銃でも10万円あれば結構いいランクのモノが入手できるようですが西部開拓当時はこのシングルアクションリボルバーもそう簡単に買えるシロモノではなかったかも?10万円程度というのも仮の話で日本では10万円が100万円でもダメだとなりますが。
この映画も半世紀近く前になるので事情は変わっていそうですが西部劇などアメリカ史劇を作る場合銃が古すぎて手配が大変という事態もありそうです。

映画の本筋に話を移してブッチ・キャシディ率いる壁の穴強盗団は列車の行きと帰り両方襲うというプランを立てます。
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一回目の列車強盗では大した成果はなく息抜き・・・名曲「雨にぬれても」をバックにブッチとエッタが自転車で戯れるシーンも有名です。
そしてお仕事に戻ります(といっても強盗ですが)読み通り帰りの列車には大量の紙幣が・・・
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全編通して画が美しい映画ですが札が舞うこのシーンも美しい。

喜ぶブッチ一味、しかし荒野の向うから曰くありげな列車が近付いてきます
列車から飛び出した馬群は・・・
鉄道会社が雇った凄腕追跡隊に追い詰められるブッチと相棒サンダンス
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このシーンも有名です。犯罪者が追跡隊に追い詰められ・・・悲惨なシチュエーションの気もしますが
いい意味で「軽さ」を保つのが上手いです。ここのやり取りが終盤にまた効いております。

決死の谷川ダイブで追跡隊を凌ぎますがどうも今度の追跡隊はハンパではないようで二人のクビを挙げるまでは
諦めないだろうという話に、そこで二人は冒頭話していたボリビアに女教師エッタを伴って旅立つのでした・・・。

・軽さ(軽妙さというべきか?)・悲壮感、バランスが絶妙
アメリカンニューシネマの特徴のアンチヒーロー・アンチハッピーエンド、大恐慌時代が背景の「俺たちに明日はない」とか
当時のNY貧民窟が舞台の「真夜中のカーボーイ」は繰り返し見ようとは思いませんでした。
明日に向かって撃て!ハッピーエンドでないのは同じなのですが、軽妙さと悲壮感・現実味がいい塩梅になっていると言えば良いのでしょうか。
西部時代末期、大恐慌・現代(1969年当時)と違って現実こうだったというのは正直わからないはず、
デフォルメや創作を入れていると思われますがそこがツボにはまっているのかもしれません。

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スペイン語に苦戦しつつもボリビアで順調に犯行を重ね優雅なディナーを楽しむ3人、冷静に考えるととんでもない連中ですが憧れてしまうのも事実、英の映画監督ガイ・リッチーはこの映画を見て映画監督になるのを決意したそうです。
デビュー作「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」を見てナルホド、と思ったのを良く覚えております。
割の良いヤマを当てて優雅に暮らす・・・平和・安定、そしてデフレとはいえ人からバクチ願望を消すことはできない?

ワイルドバンチ

1960年代洋画
05 /24 2014
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・平和、この映画の禁酒同盟のパレードのようにあっけなく崩壊したりして・・・
原発事故、集団的自衛権の見直しなどキナ臭い話も増えておりますが
2010年代半ばの日本はデフレで安定した社会です。
平和で安定は結構なのですがデフレは平和で安定の副作用なのかも?と当方は考えたりします。
デフレなら現預金さえあれば安心!ということで消費の削減、「稼ぐ」方は・・・「勤める」は自分に決定権が無いので厳しいのですが「事業」は最終的には損したという展開が多くなるはずなので積極展開を避ける、あるいは始めから何もしない。
これが積み重なって「勤める」が減ってくるので困る人が増える・・・デフレで良いなんていう政治家がいたらお目にかかりたいというのが私のささやかな願いです。
しかしデフレだからこそ日本人の美徳である勤勉と(特に)忍耐が報われるという一面もある気がします。
平和と安定を保ちつつデフレ脱却・・・ちょっと厳しいのでは?
デフレが終わるとき⇒平和と安定も壊れる・・・当方映画「ワイルドバンチ」の冒頭の銃撃戦を連想してしまいます。

サム・ペキンパー監督作品のみならず西部劇、そしてアウトロー映画の最高傑作との呼び声もある作品、個人的には一番のお気に入り映画です。
メキシコ内乱下の米墨国境を舞台にアウトロー達の戦いと最期を描いた内容です。
20世紀初頭、1913年のテキサス州、「何年」という話は映画の中ではしておりません、冒頭の禁酒同盟の演説会、アグア・ベルデで自動車を見た時のワイルドバンチ一行の会話で大体の年代が分かるということか。
夕陽のギャングたちみたいにバイク・自動車があっさり出てくると時代設定は第一次大戦後?という印象を与えそうです。
今となっては1910年代の現実はわかりませんがアメリカ西部、メキシコまで自動車がありふれているというのは考えにくいのでは?
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このシーンの会話も印象に残りました。今では世界のどこでも自動車の無い風景を探す方が難しそうです。

パイク(ウィリアム・ホールデン)率いる強盗団ワイルドバンチは
鉄道会社の事務所を襲撃し、袋詰めにされた銀貨?を強奪します、しかしそれは鉄道会社がワイルドバンチを一網打尽にするための罠でした。
待ち伏せしていた賞金稼ぎ達と禁酒同盟のパレードを巻き込みながら激しい銃撃戦になります。
パイクは多数の仲間を失いながらも逃亡に成功、生き残った仲間と取り分を分けるため奪ってきた袋を開け中身を広げます。
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袋からは無地の銀色の輪が、“銀の輪?”というテクター(ベン・ジョンソン)、しかし罠なのでそれは銀などでは無く・・・
夕陽のギャングたちでも似たような話をしましたが仮にこの金属の輪っかが銀製だとしても銀は2010年代中盤の現代日本では1㎏8万円に満たない額です。今の日本では(そもそも銃は禁止ですが)弾代も出ないのでは?

ともかく命懸けの戦いが無に帰したことに落胆するパイク一味、パイクは鉄道会社が使っている賞金稼ぎの中にかつての仲間ソーントン(ロバート・ライアン)がいた事を語るのでした。
話の触りはこんな感じです。

サム・ペキンパー監督の最高傑作、映画史に残る銃撃戦、といっても若いイケメン俳優は全く出てこない、というよりこんな汚いオヤジどこから連れてきた?という感じのキャストですので映画に華やかさを求める人は辛いかも。
漫画北斗の拳のコンビニコミックを眺めていると映画紹介(当然硬派アクション中心)というのをやってまして一発目がこの映画でした。
作品のチョイスと記事はライターでしょうがこの映画の製作年代・作風からして北斗の拳などの原作を作った武論尊さん辺りも結構影響を受けているのでは、と思ったりしました。
20世紀初頭という時代設定は有名どころだとタイタニックとかゴッドファーザーPARTⅡの若き日のビトー(ロバート・デ・ニーロ)のパートでしょうか。タイタニックが出来る時代に西部劇?といってもこの2作品もさり気無く馬車が出てきたりします。
今の日本だと想像出来ませんが当時だと地域差も大きかったのかもしれません。
1969年製作の1910年代が舞台の映画、娯楽というより歴史のお勉強かも?

この作品、CGなどがない時代のせいか良い意味で画が重い気がします。
だから昔の方が良かった、というのではなく本物は残る、そしてその本物はごく僅か、手当り次第に見るのであれば
昔より現代のドラマや映画の方が面白いと思います。
大分前に見た衛星放送、アメリカ映画ベスト100、という感じの番組だったと思います、
そのベスト100に「ワイルドバンチ」もランクインしておりまして映画監督としても名高い
クリント・イーストウッド氏がこの映画の演出について語っておりました。
イーストウッド氏も称賛していたスローモーションの使い方の巧みさ、当時はこのスローモーションをみんな真似たという話も
近年だとマトリックスみたいな感じだったのでしょうか。これにしても10年以上前になりますが。
あとは現実のメキシコ内乱よりもこの映画で使った弾薬の方が多いという文章も目にした事があります。
ちょっと信じられませんが21世紀の今ですら製品を新興国へ売り込みという話も有る位です、辺境の戦闘というのはそれ位だったのかも。
ワイルドバンチ、リメイクの話も浮かんでは消え、といった話もあるようで、しかし監督の才覚は置いておいて
銃、建物、ロケ地、そして「観客」に受ける俳優・俳優にマッチした物語は?・・・今から作ろうとしても劣化コピーになる公算が大きい気が。

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米軍から強奪した銃器の中に当時の最先端兵器、マシンガンが。これを見た瞬間オチがわかってしまいそうですが・・・私の場合それでもラストは圧倒されてしまいました。あのラストを見ずに映画の銃撃戦を語るのはいかがなものかと思います。
今の技術なら簡単に再現できる?ストーリー運び、演出、撮影、派手にぶっ放せば良いというものではないので難しいのでしょう。
細かい話でこのモデルは1917年のモノでこの映画より少し先という指摘も
しかし日露戦争の時点でガス圧式機関銃が使われていたそうですしそれを間違いと取り立てるのは揚げ足取りというもので野暮なのでは。
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散っていく端役が印象に残ります、パイクの指示を真に受けて取り残されるマヌケな青年クレイジー・リー(ボー・ホプキンス)、この俳優ゲッタウェイでもヘマをやらかす役どころで登場。
ムリに争う必要も無いとは思いますが長期の平和(といってもビジネスに没頭しているのかさせられているのか国民に余裕はありませんが)に慣れきっている日本、
・アメリカに付いていく⇒どこかで敵陣に一人取り残される、この映画のクレイジー・リーみたいに・・・
・平和は永遠に続く前提で行動⇒どこかで戦いに無防備のまま巻き込まれる、この映画の禁酒同盟のように・・・

安倍政権だと前者を選択しているように見受けられます、日本、人に例えると「マジメだけど地頭が良くないし腕っぷしも今一つ」(私だけ?)「努力して学力だけでもなんとか・・・」という感じなので大人しくしておいた方が良いと思うのですが「食う」に直接関係ないハイテク企業だらけになった今そうもいってられないでしょうし・・・
後者よりはマシと戦いに備えておくしかないか?
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武器を強奪しにきたマパッチの軍勢、しかしパイクの馬車にはダイナマイト、そしてマシンガンが・・・
撃ち合いになればマパッチ側にも多数の死傷者が出るのは必至という状況に。
緊張に耐えきれなくなった兵の一人が思わず発砲してしまい・・・
ソーントン率いる追跡団の一人が誤って米軍に発砲という件も
実際撃ち合いになると主人公ではなくこういうミスをやらかす端役が関の山なのでしょう。
パイク・ダッチ・ゴーチ兄弟の四人のように散れるなら銃撃戦も悪くないと思いますが
ミスをやらかす端役、エンジェル・・・
銃撃戦まで漕ぎつけてもプライベート・ライアンのノルマンディー上陸作戦みたいになるのがオチでしょうから
やっぱり戦争には巻き込まれたくないな、と平和を祈って〆にします。

団哲夫

ひっそり生活しつつ
漫画等で小銭稼ぎをしよう
とデジ絵に取り組んでるオッサンです。
リアル「俺はまだ本気出してないだけ」?
それとも…
好きな映画は60~70年代名作洋画
好きな漫画は北斗の拳、シティーハンター、とらぶる
そして成年漫画家のホムンクルス先生
ゲームはファイアーエムブレム、アマガミ・・・
とカオスな取り合わせです。
記事の振れ幅が激しく付き合いづらいかと思いますが
ご感想などあればコメントも歓迎しております。